プラセンタ療法
プラセンタ療法とは?
胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスの有効成分を、注射、内服などにより治療に用いる療法の総称を『プラセンタ療法』と言います。
新陳代謝を促進、自律神経やホルモンのバランス調整、免疫・抵抗力を高めるなど、難病と呼ばれる病気の症状が軽くなり、元気に過ごせるようになるお薬です。
当院では、プラセンタ療法を希望する方へ適切な用法・用量を検討いたします。お気軽にご相談ください。
プラセンタとは?
プラセンタ(Placenta)とは、ほ乳動物の胎盤のことで、医薬品の世界ではこの英名の方が広く使われています。 胎盤は、妊娠中の胎児を包む膜(羊膜)と、子宮とを結ぶところに位置する、妊娠中に臨時に作られる円盤状の臓器です。
その役割は、母体の中にあって、まだ人間の体として1本立ちしていない胎児と母親を結ぶところに位置して、胎児の各種臓器の機能を代行することです。
また、母親から供給される栄養分を胎児に運び、胎児の排泄物を母親の体に渡す役割も担っています。さらにホルモンを分泌するほか、毒物などの物質の侵入から胎児を守る免疫機能の役割も果たしています。
いずれにしろ着床した受精卵が、わずか10ヶ月でみごとな赤ちゃんに成長するのは胎盤の働きによるところが大きく、その役割を果たす期間は短いものの、まさに万能臓器と言えるかもしれません。
プラセンタエキスの薬理作用
プラセンタエキスは、下記の薬理作用が広範囲にわたり実証されています。
自律神経調整作用
自律神経のバランスを整える
強肝・解毒作用
肝臓の働きを強める
基礎代謝向上作用
基礎代謝の向上、新陳代謝の活性化で細胞や器官、臓器の活動を活性化させる
免疫賦活作用
免疫力を強化し、抵抗力を高める
抗炎症作用
炎症を抑え、壊れた組織の修復を促進する
内分泌調整作用
内分泌系のバランスを整え、ホルモンバランスを調整する
活性酸素除去作用
活性酸素を除去し、酸化を防ぐ
血行促進・造血作用
造血組織を刺激し、血流を良くする
以上の作用が総合的に働き、健康促進・改善に速効的に作用します。
【注射について】
厚生労働省に認可されている医薬品では、ラエンネック注射剤(日本生物製剤)が慢性肝疾患における肝機能の改善、メルスモン注射剤(メルスモン製薬)が更年期障害、乳汁分泌不全での効果が認められています。当院では、メルスモン注射剤を使用しており、自費診療となります。週に1回程度を推奨します。
メルスモン注射剤は、1956年(昭和31年)に承認された医療用医薬品です。国内の、安全なヒト胎盤を原料とした注射薬で、多種のアミノ酸を含有しています。胎盤1つずつについてウイルス検査を実施し、HBV、HCV、HIV陰性であることが確認された安全な胎盤を原料としています。さらに、製造の最終段階に121℃30分間の高圧蒸気滅菌を実施しており、ウイルス・細菌の感染防止対策をとっています。
リスク:プラセンタ注射は、注射器を用いるため、細い血管に当たってしまい内出血を引き起こしてしまうリスクがあります。本製剤は生物由来の原料を使用しているため、未知のウイルス等に起因する感染症のリスクを理論上完全に排除することは困難です。
副作用:過敏症(悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹)や、注射部位の疼痛、発赤が出る場合があります。
プラセンタを注射されますと、献血が出来なくなりますので、ご注意ください。また、臓器提供は原則として控えることが求められています。
【注意事項】
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)・・・当院でプラセンタ治療に使用しているメルスモンは、医薬品医療機器等法において、更年期障害、乳汁分泌不全の効能・効果で承認されていますが、その他の目的での使用については国内で承認されていません。
・入手経路等・・・国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無・・・ヒト胎盤抽出物を一般名とする医薬品は国内で承認されていますが、承認されている効能・効果および用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報・・・現在までにメルスモンの投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はありません。しかしながら、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。